西園内科クリニック

ドクターズインタビュー

INTERVIEW 01

医師を目指された最初のきっかけを教えてください。

私の親が医師をしていたため環境として身近だったこと、そして自分の進路を考えたときに、自然と医学部への進学が視野に入りました。当時は「まずは資格を取ってみよう」というところからのスタートでした。
ただ、その根底には「生活の基盤をしっかり持ち、心に余裕を持てる人間でありたい」という思いがありました。「心に余裕がないと、本当に人に優しくすることはできない」。それは医師となった今でも、自分自身やクリニックのスタッフに対して強く意識している、私の大切な原点となっています。

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INTERVIEW 02

その後、総合診療や家庭医療の道を志されたのはなぜですか?

研修医時代に経験した、救急医療や集中治療(ICU)の現場での実体験がきっかけです。
そこでは珍しい病気を見つけ、徹夜で高度な治療に情熱を注ぐ医療が行われていました。もちろんそれも大切な医療ですが、私は数値だけではなく、「そもそも病気にならないための予防医療」や、「目の前の患者様の実際の生活」にもっと目を向けたいと考えました。
そんな時、先輩の勧めで数ヶ月間、緩和ケアの研修を受けました。そこで初めて、死にゆく人を前に何もできない無力感を味わうと同時に、患者様の心に寄り添う医療の重要性を痛感し、これが私の医師としての本当の原点になりました。

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INTERVIEW 03

「家庭医療・総合診療」の具体的な魅力はどこにあるのでしょうか?

病気だけを診て治療を押し付けるのではなく、その人の価値観や生活の背景の中に、医療をどう優しく溶け込ませていくか。それを幅広く実践できる点です。
お一人おひとりの生活全体を見つめながら、トータルで健康を支えていけるこの領域に、私は医師として大きな魅力を感じて進むことを決めました。

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INTERVIEW 04

飯塚市のこのクリニックを継承されてから、まず取り組まれたことは?

赴任当初は、地域の皆さまを安心してお迎えするための組織としての体制や、スタッフの労務環境が十分に整っているとは言えない状態でした。
そこで私は、「この飯塚という地域に今何が不足していて、地域の皆さまから何が求められているか」を徹底的に深く考え、分析することから始めました。
地域のニーズに応えるために診療体制を整え始めると、想像以上の早さで多くの患者様にご来院いただけるようになり、お待たせしないための電子カルテへの移行など、院内体制のアップデートを急ピッチで進めてまいりました。

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INTERVIEW 05

飯塚の地域医療において、特に必要だと感じたのはどのような医療ですか?

地域医療に携わる中で、特にニーズが高いと感じたのが「小児の身近な感染症医療」、そして受診のハードルが高くなりがちな「認知症や老年精神領域の初期医療」です。この2つは、この地域で必要とされている医療だと感じました。
小さなお子様からご年配の方まで、ご家族みんなが「困ったときはあそこに行けば大丈夫」と思える安心感を、この飯塚の地に根付かせたいという想いで診療を続けています。

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INTERVIEW 06

先生の「診療スタンス」について詳しく教えてください。

一言で言えば、とても「柔軟で優しい」医療を心がけています。
例えば、夜間にコンビニ食を食べるような夜勤者の方に対して、「明日から炭水化物を抜いてください」と指導しても、実践するのは難しいですよね。その方の生活を否定するのではなく、「今の生活軸の中で、無理なくできることは何か」を一緒に考えます。
「体に良くないと分かっちゃいるけど、やめられない」のが人間です。わざわざ足を運んでくださる患者様の生活に寄り添い、長く笑顔で付き合っていける関係性を何よりも大切にしています。

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INTERVIEW 07

特に注力されている「もの忘れ・認知症診療」における強みは何ですか?

当院に、もの忘れのご相談でお越しいただいた方には、必要に応じて頭部CT検査を実施しています。これは、正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫といった「治療によって改善する可能性のある疾患」を見逃さないためです。
認知症の診断は非常に複雑で、単純なチェックリストだけでは判断できません。「1日中ぼーっとしている」「急に変な行動をとった」という症状があっても、原因が認知症なのか、あるいは重度の貧血や他の内科的疾患、精神疾患なのかによって治療法は全く異なります。
私は総合診療に加えて精神科領域での診療経験も生かし、認知機能の低下だけを見るのではなく、内科疾患や精神疾患などさまざまな可能性を考えながら、「なぜその症状が起きているのか」を総合的に評価することを大切にしています。「おかしいな」と思ったときに、まず身近な場所で相談できる敷居の低さと、専門的な認知症診療を両立することが当院の役割だと考えています。

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INTERVIEW 08

ご家族のもの忘れや変化に気づいたとき、周囲はどう対応すべきでしょうか?

一番お伝えしたいのは、ご家族だけで問題を抱え込まないでほしいということです。
飯塚市をはじめ、この地域でも非常に核家族化が進んでいます。そのため、年末年始やお盆などにお子さん夫婦が帰省した際、「親の料理の味付けが変わった」「同じことを何度も聞く」「急に怒り出す」といった変化に気づくケースがとても多いのです。
少しでも「いつもと違うな」と感じたら、まずは当院のような身近なクリニックや、地域の相談窓口である「地域包括支援センター」にご相談ください。私自身も市の認知症対応医療機関の担当医を務めています。公的なサポートや私たち医療機関を上手に頼っていただくことが、ご家族の笑顔と穏やかな生活を守る大切な第一歩になります。

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INTERVIEW 09

患者様の負担を減らすために、院内で工夫されているシステムはありますか?

複数の医療機関にかかっている方の処方を当院で一括管理して通院の負担を減らしたり、院内でCT検査や各種迅速検査を行える体制を整えるとともに、必要に応じて地域の基幹病院と連携しています。
また、働くスタッフ自身が心身ともに健康でいることも大切なことです。そのため、適切な休日や待遇改善など、院内の労務環境をしっかりと整えることもクリニックの重要な方針として掲げています。

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INTERVIEW 10

最後に、西園内科クリニックの今後の展望をお聞かせください。

私自身のポリシーとして、自分がやりたい医療を頑固に押し通すというこだわりはありません。大切なのは地域が変われば、私たちの医療も変わるということです。
これからも時代の変化や飯塚の地域のニーズを敏感に捉え、地域の皆様が必要とする医療に応えられる、柔軟で頼もしいクリニックであり続けたいと考えています。

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