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もの忘れのこんな症状ありませんか
「最近、人の名前がパッと出てこない」「物をどこに置いたか忘れてしまう」といった経験はありませんか?これらは年齢を重ねるごとに誰にでも起こりうる変化ですが、なかには病気の初期サインが隠れていることもあります。まずはご自身やご家族の状態について、以下の初期症状チェックをしてみましょう。
- 何度も同じことを言ったり、同じ質問を繰り返したりする
- 置き忘れやしまい忘れが増え、いつも物を探している
- 今日が何月何日なのか、今が何時なのか分からなくなることがある
- 通い慣れた道で迷ったり、買い物の際にお金の計算が合わなくなったりした
- 以前は好きだった趣味や外出への興味が薄れ、一日中ぼーっとしている
- 以前より頑固になったり、急に怒りっぽくなったりするなど性格が変わった
これらは単なる「ド忘れ」ではなく、脳の機能低下が始まっているシグナルかもしれません。「おかしいな」と感じる変化がいくつか当てはまる場合は、我慢や放置をせず、お早めに当院の「もの忘れ外来」へご相談ください。
もの忘れ〜認知症までの段階
もの忘れが始まってから認知症に至るまでには、グラデーションのような段階があります。元々は問題なくできていた認知機能(知的水準)が、脳の障害によって後天的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態を「認知症」と定義します。
健康な状態から認知症へといきなり移行するわけではなく、その中間には「軽度認知障害(MCI)」と呼ばれる段階が存在します。この段階では、周囲からみて、もの忘れが目立つようになり、日常生活の自立は概ね保たれていますが、複雑な家事や金銭管理などで以前より時間がかかったり、ミスが増えたりすることがあります。ご本人も周囲も単なる加齢のせいだと思い込んで見過ごされてしまうケースが少なくありません。
認知機能とは?
認知機能とは、五感を通して外部から得た情報を正しく理解・判断し、適切に行動するための脳の総合的な知的システムのことです。主に以下のような要素で構成されています。
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記憶障害
新しい出来事を覚える力、過去の経験を思い出す力
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注意障害
注意が持続できず、複数の事柄に注意を振り分けられず、同時進行が困難となります
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視空間認知障害
物との距離感や、自分が今どこにいるのかという位置関係を正確に把握する力(道迷いの原因になります)
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実行機能障害
物事を計画的に順序立てて、段取りよく実行する力(料理や買い物がスムーズにできなくなります)
元々の知的水準や性格(元の気質)を踏まえた上で、これらの機能にどのような「変化」が生じているかを丁寧に見極めることが、正しい診断への第一歩となります。
認知機能から見る認知症の種類の傾向
アルツハイマー型
典型的な経過として、まず「記憶障害(同じ質問を繰り返す、約束を忘れる)」から始まります。徐々に実行機能障害(物事の段取りが悪くなる)や、視空間認知障害(出先で迷子になる)が生じ始め、服薬管理のミス(薬が多量に残る)や金銭管理のトラブル(お金がなくなったと訴える)などの日常生活の支障を生じることもあります。
脳血管型
脳梗塞や脳出血などの脳血管障害に関連して生じる認知症です。障害された脳の部位によって症状はさまざまですが、注意力や実行機能の低下、意欲低下などが目立つことがあります。高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などの血管リスク因子の管理も重要です。
軽度認知障害(MCI)について
認知症の一歩手前の段階である「軽度認知障害(MCI)」は、早期発見において極めて重要な局面です。
MCIは、その後認知症へ進行する場合がある一方、状態が維持されたり、認知機能が正常域へ改善したりする場合もあります。そのため、早い段階で原因やリスク因子を評価し、適切な対応につなげることが重要です。
ご本人が「なんともない」「大丈夫」と主張されていても、別居しているご家族が様子を見に行った際にお薬の飲み残しが目立ったり、家の中に同じ食材が何個も買ってあったりする変化を発見したことで、MCIの段階で受診に繋がるケースも多くあります。身近な方の小さなサインを見逃さないことが、穏やかな生活を守ることに繋がります。
初期段階の検査・生活習慣の重要性
当院では、もの忘れの原因を評価するため、原則として頭部CT検査を行っています。認知症の評価だけでなく、正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫、脳血管障害など、認知機能低下の原因となり得る脳の病変がないかを確認します。
また、脳血管性認知症などのリスクを高める高血圧や糖尿病などの生活習慣病の管理も、初期段階において非常に重要です。当院では患者様の生活習慣を否定するのではなく、その方の生活軸の中で無理なく続けられる工夫を一緒に考え、笑顔で健康寿命を延ばす優しいサポートを一緒に考えております。少しでも気になる兆候があれば、どうぞお気軽にご相談ください。